これだけは覚えてほしい!
❝絶対に外せない❞現代のマクロトレンド
現代トレンドその❶「中堅・中小企業の賃上げ」
昨今の原油価格高騰による物価高や労働人口減少を背景に、日本政府は「物価高を上回る所得増」を目指しています。大企業は急速な円安やそれに伴う利益増加や株価上昇を背景に「春闘」で従業員の大幅な賃上げを実現しています。しかし、非上場株式会社や地方の中堅・中小企業は原材料価格高騰によるコスト増加を価格転嫁できず、収益を圧迫している状況です。日本経済の成長を維持するためには、日本企業の99%以上を占める中堅・中小企業で働く従業員の賃上げは必須であるため、日本政府は様々な施策を用意し、全力で賃上げを図っていく姿勢です。
物価高を上回る所得増へ|
我が国は、30年に及ぶデフレに悩まされてきました。コストカットが最優先され、賃金を含めた人への投資や、下請・取引先企業の納入価格、未来の成長につながる設備投資や研究開発投資まで削減されてきました。
低い成長率と低い賃金の悪循環から抜け出せず、デフレ心理がまん延し、更なる悪循環を招いてきました。
岸田政権では、2年間、官民の連携の下、社会課題を成長のエンジンとする「新しい資本主義」の実現を目指し、人への投資やデジタル、グリーンなど成長分野の投資を積極的に拡大させてきました。
その結果、昨年は、30年ぶりの賃上げ水準、株価水準、過去最高水準の国内投資など、賃金と成長の好循環が動き出しつつあります。
このチャンスをつかみ取り、デフレ完全脱却を実現する。日本経済がデフレに後戻りするか、デフレ完全脱却の道に向かうかの正念場です。脱デフレのチャンスをつかみ取るために総力を挙げていきます。
首相官邸ホームページ
2024年「春闘」では、平均17,606円・5.85%の賃上げを要求。過去最高額も多数
日本労働組合総連合会(労働組合の中央組織)では、「2024春季生活闘争方針」で『賃上げ分 3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め 5%以上の賃上げを目安とする』、『中小組合で賃金実態が把握できないなどの事情がある場合は、格差是正分を含め15,000 円以上を目安とする』と発表していました。
これを受けて全国各労働組合(3,102組合)で賃金引き上げを要求した平均額は 17,606円・5.85%(加重平均)となり、昨年を大きく上回る結果となった(同 4,268 円増・1.36 ポイント増)。5.0%を上回ったのは 1994 闘争(5.40%)以来 30 年ぶりとなっていました。(※1994 闘争のデータは最終回答集計時点)。
また、デフレからの完全脱却には賃上げが不可欠との認識が労使で一致したことが、トヨタをはじめ多くの企業で満額回答、または満額以上の回答につながったと考えられます。加えて、人口減少による新卒採用競争力、若手人財層への投資の強化から、初任給の大幅増額や人事制度の改定、シニア人材や非正規雇用人材の獲得・流出防止を目的とした改定も多く見られたことが2024年春闘の特徴といえます。
大企業での賃上げ成功ムードが漂うなか、政府は特に「中堅企業の成長」を後押しする政策を強化しています。2024年3月に公募開始された「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」では、成長投資による賃上げを目的に最大50億円の補助が受けられます。これにより、中堅・中小企業への賃上げムードを後押しする狙いです。
現代トレンドその❷「脱炭素経営への移行」
19世紀の産業革命以降